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全国通訳案内士

語学難易度: ★★★★☆更新日: 2026年3月26日
合格率: 約10〜13%(英語)
勉強時間: 約500〜1,000時間
受験料: 約13,000円(一次試験)

全国通訳案内士とは

全国通訳案内士は、通訳案内士法に基づく唯一の通訳・ガイド系国家資格です。日本政府観光局(JNTO)が試験を実施し、観光庁が登録を管理します。合格・登録した者だけが「全国通訳案内士」の名称を使用でき、報酬を得て外国人旅行者に観光案内・通訳を行う業務(有償ガイド業)を行うことができます。

試験は英語・フランス語・スペイン語・ドイツ語・中国語・イタリア語・ポルトガル語・ロシア語・韓国語・タイ語・10言語で実施されており、英語が受験者の80%以上を占めます。英語の最終合格率は2024年度で約9.8〜10%と非常に低く、国家資格の中でも難関です。

訪日外国人観光客の増加とインバウンド需要の拡大により、通訳ガイドの需要は年々高まっており、フリーランスとして働くガイドの時給は8,000〜15,000円程度とされています。観光業・外国語のプロを目指す方の目標資格として高い人気を誇ります。

受験資格

学歴・年齢・国籍の制限はなく、誰でも受験できます。ただし、以下の者は登録できません。

  • 成年被後見人・被保佐人
  • 通訳案内士法違反により登録を取り消された後、2年を経過していない者

試験の構成

全国通訳案内士試験は一次試験(筆記)と二次試験(口述)の2段階で行われます。

一次試験(筆記)

科目 内容 配点・合格基準
外国語(英語等) 選択語学(英語の場合TOEIC860点以上等で免除可能) 70点以上/100点
日本地理 日本の地理・自然・地名・交通・観光地 70点以上/100点
日本歴史 日本の歴史(原始〜現代) 70点以上/100点
一般常識 産業・経済・政治・文化・観光分野の時事 60点以上/100点
通訳案内の実務 通訳ガイドの業務知識・法令・実務 60点以上/100点

各科目で合格基準を満たす必要があります(総合点の平均ではなく各科目で合否判定)。合格した科目は翌年と翌々年の一次試験で免除されます。

一次試験免除制度(外国語):

  • TOEIC: 900点以上(英語)
  • 英検: 1級合格
  • IELTS: 7.0以上
  • TOEFL iBT: 95点以上 その他、各言語に応じた資格・検定の一定スコアで免除申請が可能。

二次試験(口述)

項目 内容
形式 面接(面接官に外国語で話す形式)
内容 プレゼンテーション+質疑応答
評価基準 コミュニケーション力・日本事情の知識・通訳ガイドとしての適性

受験者がランダムに選ばれたテーマについて、外国語で2〜3分のプレゼンテーションを行い、その後面接官との質疑応答(英語)が続きます。テーマは日本文化・歴史・地理・観光・時事等から出題されます。

合格率

英語の最終合格率推移

年度 受験者数 最終合格者数 合格率
2024年度 3,022人 303人 9.8〜10.0%
2023年度 約3,300人 約400人 約12.0%
2022年度 約2,500人 約350人 約14.0%

英語以外の言語は受験者数が少なく、合格率は言語によって異なります。

試験日程

試験 実施時期
一次試験(筆記) 8月(日曜日)
一次試験合格発表 9月下旬
二次試験(口述) 12月(日曜日)
最終合格発表 翌年2月上旬

受験申込は例年4〜5月頃。受験料は一次試験約13,000円。

勉強法

推奨学習期間

  • 英語力がTOEIC850点以上の方: 1〜2年(一次外国語免除なしの場合)
  • 外国語が免除になる方: 8ヶ月〜1年(日本地理・歴史・一般常識・実務に集中)

外国語が合格基準に達していても、日本地理・日本歴史・一般常識・実務の4科目の難易度は高く、これらの学習に多くの時間が必要です。

効果的な学習ステップ

  1. 現状把握と科目別計画(最初の1ヶ月): 過去問を一度解いて弱点科目を特定。各科目の出題傾向と配点を把握し、学習優先度を決める
  2. 日本地理の強化: 都道府県・主要観光地・山岳・河川・温泉地・伝統工芸品の地図的知識を整理。観光ガイドブックを活用して「観光客が知りたい情報」の視点で学習
  3. 日本歴史の徹底理解: 高校日本史レベル(センター試験水準)の知識が必要。時代ごとの政治・文化・外交を体系的に整理。文化史(建築・美術・文学・宗教)の比重が高い
  4. 一般常識・実務の対策: 観光白書(観光庁発行)の熟読が必須。訪日外国人数・観光政策・旅行業法・通訳案内士法・旅行安全情報の知識を押さえる
  5. 二次試験(口述)対策: テーマに対して外国語で2〜3分スピーチする練習を繰り返す。日本の文化・歴史・地理を外国語で説明できるよう、キーワードを英語で準備する。特に「茶道・武道・祭り・伝統行事・城・寺社仏閣・料理」などは頻出

おすすめ教材

  • 「通訳案内士試験対策 合格テキスト」(TAC出版)— 5科目を網羅した定番テキスト
  • 「最新観光白書」(観光庁)— 一般常識対策の必読書
  • 「日本のことを英語で話すための本」(角川書店 等)— 二次試験の英語表現強化
  • 「過去問集」(各出版社)— 一次試験の傾向分析に必須
  • 「JNTOガイド試験過去問解説」— 詳細な解説で弱点補強

資格の活かし方

活用シーン 詳細
フリーランスガイド 旅行会社・ツアーオペレーターからの依頼で訪日外国人のガイド(時給8,000〜15,000円程度)
旅行会社への就職 通訳案内士資格保有を採用要件にする旅行会社も多い
ホテル・観光施設 高級ホテルや観光施設での外国人対応スペシャリスト
MICE・VIPガイド 国際会議・VVIP向けの特別ガイドは高単価案件
教育・研修 通訳案内士養成学校での講師

部分免除制度のポイント

一次試験は科目合格制で、合格科目は2年間有効です。このため多くの受験者が複数年かけて全科目合格を目指します。外国語スコアによる免除を活用することで、学習範囲を日本知識科目に絞ることができます。

関連資格

  • 地域通訳案内士: 都道府県知事が実施する地域限定の通訳案内士資格(全国通訳案内士より取得しやすいが活動エリアが限定)
  • 英語検定1級: 外国語科目免除の要件としても使える最高峰の英語資格
  • TOEIC 900点以上: 外国語科目免除に活用可能
  • 観光士(日本観光士協会): 観光の専門知識を証明する民間資格
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