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防災士

生活・美容難易度: ★★★☆☆更新日: 2026年3月26日
合格率: 約70〜80%
勉強時間: 約20〜40時間
受験料: 研修・テキスト代:約15,000〜35,000円 / 試験・登録費:5,000円

防災士とは

防災士は、自助・共助・協働を原則に、社会のさまざまな場で防災力を高める活動が期待される人材を認証する民間資格です。NPO法人日本防災士機構が2003年から認証を開始し、2025年時点で全国の認証者数は28万人を超えています。

大規模災害が相次ぐ日本において、「防災の専門知識を持つ人材を地域・職場・家庭に育てる」という目的のもと生まれた資格です。自治体・学校・企業・自治会・ボランティア団体など、幅広い組織で防災担当として活躍できます。

資格取得後は地域の防災訓練・避難所運営・ハザードマップ作成などの活動に携わる防災士が全国で活動しており、東日本大震災・熊本地震・令和6年能登半島地震などの被災地支援でも防災士が重要な役割を果たしました。

受験資格

特別な前提資格は不要です。ただし、日本防災士機構の認定した防災士養成研修講座を受講し、そのカリキュラムを修了することが受験の前提条件です。

また、「救急救命講習」を修了し、その修了証を取得していることも必要です(普通救命講習または上級救命講習のいずれか)。救急救命講習は消防署や日本赤十字社などで受講できます(無料〜数千円程度)。

取得の流れ

防災士の取得は「研修受講 → 試験 → 登録」の3ステップで進みます。

ステップ1:防災士養成研修講座の受講

日本防災士機構が認定した防災士養成研修機関(自治体・民間事業者など)が開催する研修講座を受講します。研修時間は1〜3日間(合計約14時間以上)のカリキュラムが標準で、座学と演習で構成されます。

研修機関の例:

  • 各都道府県・市区町村が主催する防災士養成研修
  • 民間の防災研修会社が開催するオープン講座
  • 大学・専門学校での防災関連科目(単位取得で研修に充当できる場合あり)

研修費用は機関によって大きく異なり、自治体主催は無料〜数千円、民間は15,000〜35,000円程度が目安です。

研修科目(標準例) 主な内容
防災と防災士 防災士の役割・自助・共助の考え方
地震・津波対策 地震のメカニズム・建物の耐震・津波避難
風水害・土砂災害 台風・洪水・土砂崩れのリスクと避難行動
避難所の開設・運営 避難所の種類・運営ノウハウ・要配慮者支援
応急手当 心肺蘇生・AED・止血・骨折処置
地域防災計画 地域防災マップ・防災訓練の企画と実施
情報の収集・伝達 気象警報・避難情報の読み方・SNS活用
非常食・備蓄 食料・飲料水・医薬品の備蓄計画

ステップ2:防災士試験の受験

研修修了後に試験を受験します。試験は研修最終日に実施される場合と、別日程で行われる場合があります。

試験項目 内容
出題数 30問
出題形式 四肢択一(マークシート)
試験時間 40分
合格ライン 30問中24問以上正解(80%以上)
使用テキスト 研修で配布された「防災士教本」

試験は研修内容を理解していれば十分に対応できる難易度です。

ステップ3:登録申請と防災士認証状の取得

試験合格と救急救命講習修了証を日本防災士機構に送付し、所定の登録費用(5,000円)を納付すると「防災士認証状」と「防災士証(IDカード)」が交付されます。

合格率・難易度

合格率は概ね**70〜80%**程度と比較的高めです。試験問題は研修テキスト(防災士教本)から出題されるため、研修をしっかり受講し教本を復習しておけば合格できます。

難易度が低い理由の一つは、防災士資格が「知識の保有」よりも「防災活動への参加意欲と基礎的素養の確認」を重視しているためです。合格後も継続的な研修や防災活動への参加が奨励されます。

費用の目安

費目 金額の目安
防災士養成研修費 0〜35,000円(機関により大きく異なる)
防災士教本代 研修費に含まれる場合が多い(別途3,000円程度の場合もあり)
救急救命講習費 無料〜3,000円程度
試験・登録費 5,000円(認証申請料)
合計(目安) 5,000〜45,000円

自治体主催の研修では費用が大幅に抑えられるため、居住地域の防災士養成研修を探すのがコスト面では有利です。

勉強法

効果的な学習の進め方

  1. 研修テキストを事前に読む: 研修前に「防災士教本」に目を通しておくと、研修中の理解度が上がります。特に「地震・津波」「避難所運営」「応急手当」の章は試験で出題頻度が高い項目です
  2. 研修中にノートを取る: 講師が強調した箇所・演習での気づきをメモしておくと、試験直前の復習に役立ちます
  3. 防災士教本の重要箇所をマーク: 試験当日は教本の持ち込みができる場合もありますが、全ページを参照する時間はないため、重要箇所を事前にマークしておくと安心です
  4. 過去問・練習問題を活用: 日本防災士機構のウェブサイトやテキスト付録に練習問題が掲載されています。形式に慣れることが重要です
  5. 救急救命講習を先に受ける: AED・心肺蘇生法の実技は別途講習が必要。防災士研修より先に受けておくと、研修での応急手当セクションの理解が深まります

防災士の活動事例

取得後の活動はさまざまです。防災士であることで特定の職業・職位に就ける資格ではありませんが、以下のような場で活躍しています。

活動場所 活動内容
地域自治会・町内会 防災訓練の企画・運営、防災マップ作成、安否確認ルールの整備
学校・PTA 防災教育の実施、避難訓練の指導、保護者向け防災セミナー
職場・企業 BCP(事業継続計画)策定支援、社内防災研修の実施
ボランティア団体 被災地の避難所支援、復旧ボランティアの調整
自治体・消防団 防災担当職員として計画立案・訓練指導

関連資格

  • 防災危機管理者: 日本防災士機構が認定する上位資格(防災士取得後5年以上の活動実績が必要)
  • JDLA Deep Learning for GENERAL: AI×防災分野への展開を考える方向け
  • 福祉住環境コーディネーター: 要配慮者支援・避難所バリアフリーに興味がある場合
  • 普通救命講習・上級救命講習: 防災士取得の前提条件でもある応急手当の公的資格(消防署・赤十字で取得)
防災減災救急地域安全ライフライン