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樹木医補

自然・環境難易度: ★★★☆☆更新日: 2026年3月26日
合格率: 約60〜70%
勉強時間: 大学在学中の課程修了が必要
受験料: 10,000円程度

樹木医補とは

樹木医補は、樹木医(樹木の健康診断・治療を行う専門家)の補助資格として設けられた認定制度です。公益財団法人日本緑化センターが認定を行っており、大学・短大・専門学校の在学中〜卒業後に取得できます。

樹木医は、神社仏閣の御神木・街路樹・公園樹・古木・名木の診断と治療(空洞充填・腐朽部除去・栄養剤注入など)を行う専門家で、その補佐役として樹木医補が設けられています。

樹木医補の位置づけ:

  • 樹木医の助手・補助者として現場作業に携われる
  • 将来の樹木医取得への「登竜門」
  • 卒業後に実務経験を3年積むと樹木医試験の受験資格を得られる

独立した国家資格ではなく民間認定資格ですが、公共工事(街路樹管理・公園緑地維持)や文化財(天然記念物・保護樹木の管理)の現場で高く評価される資格です。

受験資格

樹木医補の認定には、以下の条件を満たす必要があります:

指定科目の単位修得

農学・林学・造園学・生物学・環境学などの系統の大学・短大・高等専門学校・専門学校で、指定科目の単位を規定数以上修得することが条件となります。

指定科目(主なもの):

  • 植物生理学・植物病理学・樹木学
  • 造園学・森林生態学・土壌学
  • 農薬学・環境科学

在籍・卒業した学校が「指定養成機関」として認定されている場合、課程修了と同時に申請要件を満たします。詳細は日本緑化センターの公式サイトで指定養成機関の一覧を確認してください。

在学中〜卒業後3年以内

認定申請は在学中から卒業後3年以内が対象です。社会人になってから申請する場合は卒業後3年以内の期限に注意してください。

試験内容

樹木医補の認定は筆記試験(一部の養成機関)または書類審査・申請によって行われます。養成機関ごとに実施方法が異なるため、在籍校の対応を確認してください。

日本緑化センターが実施する試験(在学外申請の場合):

項目 内容
受験料 10,000円程度
試験形式 筆記試験(択一・記述)
試験内容 樹木医学(診断・治療)・植物生理学・樹木病害虫・土壌学・薬剤使用法
合格基準 各科目一定水準以上

主な試験範囲

分野 主な内容
樹木の構造と生理 根・幹・葉の仕組み・水分吸収・光合成・材の腐朽メカニズム
樹木病害虫 主要な病害(腐朽菌・根頭がん腫病等)・害虫(カミキリムシ・マツノマダラカミキリ等)の特定・対策
樹木診断 外観診断(傾斜・空洞・腐朽部の把握)・精密診断機器の使用法
治療・保護 空洞充填(腐朽部除去・充填材)・外科処置・支柱設置・薬剤注入
土壌・根系 根系分布・土壌通気性・土壌改良の手法
法規・文化財 天然記念物・保護樹木の法的位置づけ・指定基準・管理の考え方

合格率・難易度

指標 目安
合格率 60〜70%
難易度 標準(専門知識が前提)

大学で関連科目(植物病理・樹木学・造園)を履修している方なら、適切な対策で合格できます。植物生理学や農薬の知識は授業の延長として学べますが、樹木医療(診断・外科処置)の知識は教科書だけでは不十分なため、実習や現場見学を積極的に活用することが重要です。

勉強法

大学の授業を最大限活用する

樹木医補で問われる知識の大部分は、農学・林学・造園系の大学授業の範囲と重なっています。以下の授業を重点的に履修することで試験対策と学業を兼ねられます:

  • 植物病理学: 病原菌・ウイルス・腐朽菌の種類と機序
  • 農薬学: 農薬の種類・使用法・安全管理
  • 樹木学: 主要樹種の特徴・材の性質
  • 造園実習: 現場で樹木の状態を観察する目を養う

独習での補強

  1. 「樹木医学研究」誌や専門書で診断技術を補う: 「樹木医総論」(日本緑化センター)は試験範囲を体系的にカバー
  2. 樹木診断の現場実習・研修に参加: 日本緑化センターが実施する研修会・見学会に参加すると、実際の腐朽診断・治療の流れを体感できる
  3. 樹木医が執筆した記事・報告書を読む: 学会誌や協会誌に掲載されている事例研究が実践感覚を養う

おすすめ教材

  • 「樹木医研修テキスト」(日本緑化センター)— 樹木医試験の公式テキスト。樹木医補の学習にも直結
  • 「樹木の診断と治療」(日本緑化センター)— 診断・外科処置の標準的な手法を解説
  • 「原色日本樹木図鑑」(保育社)— 主要樹種の特徴を写真で確認できる図鑑
  • 「病害虫・生理障害」(農文協等)— 樹木の病害虫を写真付きで解説

取得後のキャリアパス

樹木医補として活躍できる場

  • 造園会社・グリーンメンテナンス会社: 街路樹・公園樹の定期点検・緊急対応の補助
  • 自治体・公共機関: 公園管理・緑地保全の現場スタッフ
  • 神社仏閣・文化財管理団体: 天然記念物・保護樹木の保全作業
  • コンサルタント会社: 樹木医の調査・診断補助

樹木医へのステップアップ

樹木医補取得後、造園・林業・緑地管理の実務経験を3年以上積むと、樹木医試験の受験資格を得られます(学歴・経験年数の組み合わせによって条件が異なります)。

樹木医試験は合格率約30〜40%の難関資格ですが、樹木医補の取得が最初の一歩となります。

関連資格

  • 樹木医(上位資格): 実務経験3年後に受験可能となる上位資格
  • 造園施工管理技士(国家資格): 公園・庭園の施工管理を担う国家資格
  • ビオトープ管理士: 生態系保全の専門資格
  • グリーンアドバイザー: 家庭園芸・ガーデニングのアドバイザー資格
  • 森林インストラクター: 森林環境の自然体験活動指導者資格
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