コーチング資格(ICF)とは
ICF(International Coaching Federation:国際コーチング連盟)は、世界最大のコーチング専門機関で、世界160カ国以上に約5万人の会員を持ちます。ICF認定資格は国際的に最も信頼されるコーチング資格として、企業・個人のコーチングプロフェッショナルに広く活用されています。
ICF認定には3段階あります。
| 資格 | 認定レベル | コーチング経験 |
|---|---|---|
| ACC(Associate Certified Coach) | 入門〜中級 | 100時間以上 |
| PCC(Professional Certified Coach) | 中〜上級 | 500時間以上 |
| MCC(Master Certified Coach) | 最上級 | 2,500時間以上 |
日本では管理職・人事担当者・コーチングを副業にしたい方がACCを取得するケースが多く、入門レベルとして最も人気があります。
なお、日本国内にも「日本コーチング協会認定コーチ」「CoachA認定コーチ」等の民間資格がありますが、ICFは世界共通の基準として国際的な信用が高い資格です。
受験資格(ACC)
ACCを取得するには以下すべての要件を満たす必要があります。
- ICF認定コーチ養成プログラム(ACTP/ACSTH)の修了: 最低60時間(ACCルートによる)
- コーチング経験100時間以上(うちクライアントとのコーチング時間70時間以上)
- 有料コーチング10時間以上(クライアントからフィーを受け取った時間)
- メンターコーチング10時間以上(ICF認定コーチからのフィードバック受講)
- ICF資格認定試験の合格
試験内容(ICF Credentialing Exam)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 出題形式 | 状況対応型(scenario-based)多肢選択式 |
| 問題数 | 100問 |
| 試験時間 | 120分 |
| 試験言語 | 英語(日本語版なし) |
| 受験方式 | オンライン監視下(自宅受験) |
| 受験料 | 575ドル(初回申請費込み) |
| 合格基準 | 非公開(IRT方式によるスコアリング) |
試験はICFの「コア・コンピテンシー(8つの中核能力)」に基づいたシナリオ問題が中心です。コーチングセッション中の発言・対応として「最も適切なもの」「最も不適切なもの」を選ぶ形式です。
ICFコア・コンピテンシー(8つ):
- 倫理的実践の基盤
- コーチングマインドセットの体現
- 合意形成と契約の確立
- 信頼と安全の醸成
- プレゼンス(存在感)の維持
- アクティブ・リスニング
- 気づきを促す問いかけ
- クライアントの成長支援
合格率・難易度
ICFは合格率を公開していませんが、60〜70%程度とされています。試験は英語のみのため、英語力が一定のハードルになりますが、コーチング知識自体は養成プログラムでしっかり学べば対応できます。
実技的な「コーチング100時間経験」の要件の方が、試験合格より時間的なハードルが高いという声が多いです。
勉強法
推奨学習期間
ACCの取得には養成プログラム修了 + 100時間のコーチング経験で、通常1〜2年かかります。
学習の進め方
- ICF認定養成プログラム選択: ICF公式サイトで認定プログラム一覧を確認(日本国内にも複数ある)。オンライン完結型の養成プログラムも増えている
- コア・コンピテンシーの深い理解: 8つの能力の定義と具体的な行動例を徹底理解。試験に直結する
- コーチング実践の積み重ね: 知人・家族・プロボノを活用して100時間の経験を積む
- 英語の試験対策: ICF公式の試験ガイドラインとサンプル問題で出題スタイルに慣れる
- メンターコーチングの活用: ICF認定コーチからのフィードバックは試験対策にも有効
おすすめ教材
- ICF公式ウェブサイト(coachingfederation.org): 試験ガイドライン・コンピテンシー定義・サンプル問題が公開されている
- 「コーチング・バイブル」(東洋経済新報社)— CTI認定コーチングの定番書。コア・コンピテンシー理解に有効
- 「新版 コーチングが人を活かす」(ディスカヴァー・トゥエンティワン)— 日本語のコーチング入門書
- ICF認定養成プログラムの教材: 各養成スクールが提供するオリジナルテキスト
関連資格
- 産業カウンセラー: メンタルヘルスケアに特化した民間資格。コーチング(目標達成支援)とカウンセリング(問題解決支援)は役割が異なるが、両方持つことで支援の幅が広がる
- キャリアコンサルタント(国家資格): キャリア形成支援の国家資格。コーチングと学習内容が重なる部分がある
- 認定コーチ(CoachA等): 国内コーチング機関の資格。ICFと比較してコストが低く、日本語対応